車間距離をとると渋滞が減る

車間距離をとると渋滞が減る。

http://news.livedoor.com/article/detail/10459536/

 西成教授は、渋滞解消のポイントが「車間距離」にあることに注目し、2009年に、警察庁と、JAF(日本自動車連盟)と共同で、こんな実証実験を実施しています。

 実験場所は、「渋滞の名所」で知られる、中央自動車道の小仏トンネル。同所では、実験日の夕方15時30分過ぎから、クルマが1キロほど渋滞し始め、平均時速は55キロと、ノロノロモードに。現場より手前の上野原IC(インターチェンジ)に待機していた実験チームは、渋滞発生の知らせを受けるとすぐ、実験用に”ペースメーカー”の役目を果たすクルマ8台を一斉に、小仏トンネルに向けて走行させました。その結果、8台のクルマが通過し終わった頃には、平均時速は80キロにまで回復したのです。

 一体なぜ、たった8台のクルマが、渋滞を解消させることができたのでしょうか。

 その理由は、拍子抜けするほどシンプルな「車間距離をあけて運転をしたから」というものでした。たった8台のクルマがノロノロ渋滞の中に入り、きっちりと車間距離をあけて運転したことで渋滞はすっきり解消。「車間距離をあけましょう」とは、よく言われることですが、クルマとクルマの間をあけておくことが、本当に渋滞対策になることが、この実験で証明されたのです。

 渋滞解消メカニズムは次の通り。道路が混雑してくると、ドライバーは「目的地に早く着きたい」気持ちから、車間距離を詰めてしまいがちですが、そうなると、上り坂やサグ部(高速道路の下り坂から上り坂にさしかかる凹状の箇所)にさしかかったときに、前を走っているクルマの減速により、車間距離調整のために、軽くブレーキを踏むことになります。すると、それが後ろのクルマに伝わり、先頭車両のわずかな減速が、ウェーブのようにどんどん伝わってブレーキの連鎖反応が続いた結果、数十台後方では、大渋滞となってしまうことに……。

 しかし、このとき、余裕を持って車間距離をあけていれば、前のクルマから伝わってきた渋滞のウェーブは、車間距離に吸収されるので、前のクルマほどには、ブレーキを踏まないでいられることになります。これが、西成教授が提唱する「渋滞吸収運転」(同書より)なのです。

 西成教授によれば、渋滞になるかならないかの境界線は、「車間距離約40m」。大渋滞に遭遇したら、1台前のクルマしか見ないのではなく、意識して3、4台前を走っているクルマを見るようにして、車間距離を充分にとる「渋滞吸収運転」を心掛けてみてはいかがでしょうか?