相手を操る心理術

素人が操られるメカニズム

つい、お返しをしたくなる「返報性の法則」

人は相手に何かを与えられると、お返しをしたくなる。

何かをもらった人は、お返しをしないと不快に思う。

自分一人が得をしすぎると居心地が悪くなる。

一度決めたことは変えたくない「一貫性の法則」

人は誰しも「ぶれない人間でありたい」「自分の言動や行動を筋道が通るようにしたい」と思うもの。

周囲の意見に流される「社会的証明の法則」

身の回りの人が評価しているものや人物のことを、つい信用してしまうこと。

「注文が殺到しています」「すごい評判になっている店があるんだけど、行ってみない?」などはこれ。

好きな人にはNOといえない「好意の法則」

人は好意を持っている人の頼みは断りにくい

権威のある人には弱い「権威の法則」

人は権威のある人物には弱い。弁護士、大学教授など、専門家の意見をつい鵜呑みにする。

「限定」という言葉に弱い「希少性の法則」

数が少ないものには価値があると思い込んでしまう。

「1日5組限定」「1日10食限定」「期間限定」

相手に好意を抱かせる

まず話を聞くこと

人は自分の自尊心を満たしてくれる人に好意を抱く。

興味を示す

人は自分に興味を抱いてくれる人には基本的に好感を持つ。

自分が影響力のある人間だと感じられれば、自尊心が満たされる。

相手が話したい内容を察知して話させる

人は、自分が話したいことを聞いてくれる人には好意を持つ。

xxが好きと言われたら、xxについて語らせる。

相手の言葉を繰り返す「バックトラッキング」

相手が放った言葉をそのまま繰り返すことにより、熱心に話を聞いていることを印象付けるもの。

バックトラッキングの基本は、①オウム返しのように相手の言葉をそのまま言い返す というものですが、②相手の話を一通り聞いたところで、ポイントを要約して言い返す、③相手の話の中のキーワードを見出して言い返す という方法もあります。

相手のしぐさをまねる「ミラーリング」

言葉ではなく、動作によって相手との親密度を増して好意を抱かせる技術がミラーリング。単純に相手の姿勢や動作をまねるだけでも効果があります。

相手のしぐさをマネすることで、親密度を高める作戦。

自分に不利な情報をあえて開示する

デメリットをあえて話して誠実さをアピールし、好意を抱かせる。

共通点がある人を好きになる「類似性の原理」

「仲間意識」のような感覚で、自分と共通点のある人には自然と好意を持つもの。

同好の士になると、一気に仲良くなれる。マイナーなものほど効果的。

何度も会うと好きになる「単純接触効果」

ある人の身近にいて何度も繰り返して会っていると、次第に親しみを覚えて好意を抱くことがあります・

会う時間の長さより、会う頻度の高さが重要。

しぐさで相手の心を動かす

まばたきをがまんすれば信用度が高まる

人はウソをついている時にまばたきが多くなるといわれます。人は、まばたきを多くする相手を見ると疑わしいという印象を持ち、相手を信用したくなくなります。

プレゼンや商談の場では意識的に目を見開き、まばたきをしないようにするとよいかもしれません。

相手に近づくときは右側からが基本

人は心臓を守ろうとするため、左側にいる人を警戒します。

初対面の人には「右側から近づくように意識をすれば、安心感を与え、円滑な関係を築くことができます。

荷物を持っているときは、荷物を守ろうとするので、荷物を持っていない側から近づくとよいでしょう。

ジェスチャー効果

ジェスチャーを交えると、聴衆に頼もしい印象を与える。相手を引き付ける。

ジェスチャーには、話している自分自身を落ち着かせるという効果もあります。

言葉で相手を誘導する

説得の基本「アリストテレスの三原則」

人を説得するには「論理・感情・人間性」の3つの要素が必要。

①ロゴス … 論理的であること
②パトス … 感情に訴えること
③エトス … 信頼される人間性を持つこと

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

最初に頼みを断ると、次の依頼を断りにくくなる。

相手に断らせたところで、2度目に本命の依頼をする。

ダミーの依頼をはさんで、本命の依頼を後回しに。

2段階より3段階にすることでさらに断りにくくなる場合もあるが、3度以上断ると断りなれてしまうので効果が薄れる。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

小さい要求をしてから段階的に本命の要求へ導く。

誰でも応じやすい軽い要求から段階的にレベルを上げる。

要求のレベルは一気に上げすぎないこと。

アンチ・クライマックス法

本題、話の核心を先に言う。

本題に入る前に関心が薄れないようにするために使う。

相手がしっかり話を聞いてくれそうなときはクライマックス法で。

第三者批判

説得を拒む人も第三者に置き換えられると認めやすい。

あなたに屈したのではなく、第三者に説得されたという気持ちになると、負けを認めやすくなる。

同調性思考

自分の認識と違っても、周囲の人につい合わせてしまう。

自分の目の前で大勢が一致した意見を述べると、自分の認識とかけ離れていることでも、人はつい同調してしまう。

「もはや常識化と思いますが、○○なのです」「皆さんもすでにごしゅちの通り、この点は○○です」

対話式説得法

ソクラテスも使った、質問を繰り返して都合のいいほうに誘導する方法。

「買うか買わないか」という最大のポイントを抜かして、色、サイズ、支払方法などで二択の質問を繰り返して買う前提で進めるなど。

肝心なところは回避しながら、相手がこちらの思惑通りに回答せざるを得ないような質問を繰り返す。

人間関係を変える高等心理術

相手の同情を引く「アンダードッグ効果」

人には不利な状況にあるものに手を差し伸べたくなるという心理がある。

わざとこちらの弱さを見せることで、相手の戦意をくじき、思惑通りに誘導する。

プライドの高い人や社会的地位のある相手に有効。

ラベリング効果

イメージを植え付けて相手を変えていく。

相手に臨むイメージの「ラベル」を貼ることで、次第に変えていく操作術。

「君の長所はここだ」と先に言ってしまうことで、その気にさせる。

「○○がうまいね」「○○がいいね」

ピグマリオン効果

大きな期待をかけて人を育てる。

周囲からの期待により、人の知能や学習意欲が高まるという学説。

否定されれば意欲を失うが、期待をかけられるとがんばれる。

「必ず結果を出してくれると私は信じているよ」

コンコルド効果

積み重ねてきた努力やコストが大きいと、それまでの労力を無駄にしたくないという執着心が生まれ、損得の判断を見誤ってしまう心理。

ドタキャンをちらつかせて有利な条件を引き出すなど。

コンコルド効果は、それまでに費やした時間が長いほど効果的。

バンドワゴン効果

多数派の意見に流され、流行に便乗してヒット商品に群がる心理。

「みんなやってるよ」

スノッブ効果

時勢に乗ることを嫌い、わざと少数意見になびく心理。

「参加者少ないんだよね」

ハロー効果

多くの人は相手の容姿や身なりといった目に見える一面的な要素だけで、人を勝手に判断してしまいがち。

外見的要素だけでなく、社会的要素や性格的要素でも、イメージを操作して相手に伝えることが可能。「英語が得意」「生徒会長だった」など。自身に良い材料がなかったら、身内にすごい人がいるなど他人の要素を借用してもよい。

バーナム効果

誰にでも当てはまるようなあいまいなフレーズによって、「これは私のことだ」「自分のことを言い当てられた」「この人は私のことを見抜いている」と錯覚させる心理術。

ロマンチスト、純粋な人、生かし切れていない隠れた才能が眠っている といった表現は大抵の人に多かれ少なかれ当てはまる。

特に相手が弱っているタイミングで使うと効果的。

メモ

以上のような特徴が人の心理にはあるので、だまされないように気を付けましょう。

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