『七人の侍』の予算獲得作戦

1954年4月26日に、
黒澤明監督の映画『七人の侍』が公開されました。

映画のタイトルは知っているが、
実際には観たことがないという方も多いかもしれませんね。

『七人の侍』の舞台は戦国時代。
野武士の略奪によって困窮した百姓たちが侍7人を雇い、
様々な軋轢を乗り越えながらも最終的には一致団結し、
野武士団と戦うというストーリーです。

人間の美醜を徹底的に追求した脚本や、
リアリズムを生み出すためのセットや撮影技術、
何千人ものキャストの動員など、
エピソードには事欠かない映画。
それもあり、製作費は膨らむ一方だったそうです。

予算も底をつき、撮影も長期化する中、東宝からの撮影中止命令が出ます。
「これまでに撮りためているもので何とかストーリーを組み、映画に仕上げよ」
というものでした。

それに対して黒沢監督は、
敢えてクライマックスの手前でブチっと切れた
未完成の映画を試写会にかけたとのこと。
東宝の上層部たちはそれを見て、
「この続きは?(この続きをどうしても見たい)」と言ったそう。

そこで黒沢監督は、「この先は(撮影打ち切りのため)一コマも撮っていない」
と伝えると、すぐに予算が追加されたそうです。

追加予算獲得のための巧みな戦略。
何か実現したことがあるときに、知恵を絞り、クリエイティブに発想し、
相手の気持ちを動かす姿勢は、現代のビジネスパーソンも学びたいところかもしれませんね!

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