プロパン、ブタン、LPガスの立方メートルからキログラムへの換算係数について

1.換算係数の目的と前提条件

1.1 目的

省エネ法・温対法におけるエネルギー使用量の把握をするため、プロパン、ブタン、LP
ガスの立方メートルからキログラムへの換算係数を定める。

1.2 前提条件(「プロパン、ブタン、LPガスのCO2排出原単位に係るガイドライン」の応用)

1.2.1 用語の定義

プロパン : プロパン留分100%。主用途は民生用(家庭用、業務用)。
ブタン : ブタン留分100%。主用途は産業用。
LPガス : 資源エネルギー庁長官官房総合政策課編「総合エネルギー統計」記載の
LPガス(プロパン70wt%、ブタン30wt%の混合ガス)とする。統計上
プロパン、ブタンの区別がなくLPガス1本で計上する場合に使用する。

1.2.2 立方メートルからキログラムに換算する為に使用する産気率

産気率は、元来、一定質量のLPガス(液体)が気化した場合、どれだけの体積を占めるかという割合を示す数値である。ここでは、立方メートルからキログラムに換算する係数として用い、その産気率は、気象庁発表の全国平均気温14.9℃(1971年から2000年の30年間の平均気温)を適用して、ボイル=シャルルの法則に基づき算出した。ただし、気温については、産気率の計算において季節変動及び気化潜熱効果による容器内温度の低下を考慮して実測値を基に平均気温から4℃差し引いている。

プロパン ブタン LPガス
0.502 0.355 0.458

(m3/kg)

2.立方メートルからキログラムへの換算係数

プロパン : 1m3=1.99kg (1m3 ÷ 0.502m3/kg)
ブタン : 1m3=2.82kg (1m3 ÷ 0.355m3/kg)
LPガス : 1m3=2.18kg (1m3 ÷ 0.458m3/kg)

(注) プロパン、ブタンを混合して使用する場合は、上記1-2-2項のプロパン、ブタン別の産気率を混合比率により按分して算出し、換算係数を計算することとする。

(参考)
1.総合エネルギー統計 エネルギー統計
資源エネルギー庁長官官房総合政策課により編纂されたエネルギーの需給実態に関する統計であり、概ね5年ごとに見直しがなされている。

2.産気率の算定
【プロパン】:プロパン 100%とする。
0.502m3/kg=0.49618m3/kg(*1)×0.9731(*2)×{273+(14.9-4)}÷273
*1:プロパンの0℃、1気圧の気化率
*2:圧力 0.1013MPa/(0.1013 MPa+0.0028 MPa)=0.9731

【ブ タ ン】:ブタン 100%とする。
0.355m3/kg=0.35044m3/kg(*1)×0.9731(*2)×{273+(14.9-4)}÷273
*1:ブタンの0℃、1気圧の気化率
*2:圧力 0.1013MPa/(0.1013 MPa+0.0028 MPa)=0.9731

【L P ガ ス】:プロパン 70wt%、ブタン 30wt%とする。(70:30 は最近の輸入比率)
資源エネルギー庁長官官房総合政策課編「総合エネルギー統計」におけるLPガスに適用できる産気率
0.458m3/kg={(0.49618m3/kg(*1)×0.7)+(0.35044m3/kg(*2)×0.3)}×0.9731(*3)×{273+(14.9-4)}÷273

*1:プロパンの0℃、1気圧の気化率
*2:ブタンの0℃、1気圧の気化率
*3:圧力 0.1013MPa/(0.1013 MPa+0.0028 MPa)=0.9731

3.プロパン、ブタン、LPガスの使用量算定のための単位発熱量

【プロパン】:プロパン 100%とする。
51.24MJ/kg

【ブタン】:ブタン 100%とする。
49.7MJ/kg

【LPガス】:プロパン 70wt%、ブタン 30wt%とする。(70:30 は最近の輸入比率)
50.8MJ/kg

コメントする