花のような甘い香りを持つアラビカ種
米に、インデアカ米とジャポニカ米があり、それぞれ風味が異なるように、コーヒーにも品種があります。大きく分けると、コーヒーの品種は、アラビカ種とロブスタ種<正確にはカネフォーラ種の亜種になる>の二つに分けられます。
まず、現在世界のコーヒー豆生産の6割弱が、アラビカ種です。つまり生産されているコーヒー豆の多くは圧倒的にアラビカ種が多いと言えるでしょう。アラビカ種は酸味が強く、香りは花のような甘い香り<フローラル>がします。原産地は、アフリカのエチオピア。ただ、標高1000~2000mの熱帯高地での栽培に適しており、栽培には大変な手間が掛かります。その上、霜、乾燥、病害虫などにも弱いのが特徴で、栽培が難しい品種になります。
また、同じアラビカ種といってもその下の亜種が違えば味、香りは微妙に違ってきます。
風味から言えば、ティピカ、ブルボンという昔からある品種<在来種>が香りの質、コク、クリーンさの点で優れています。ただし、収穫量が少ないため、これらの木は減少しています。現在は、低木で手入れがしやすく収穫量の多いカツーラ<カツアイとムンドノボのハイブリッド種>が主流になっています。
苦みの強いロブスタ種
もう一つの品種、ロブスタ種は、アラビカ種とは、育つ環境、味、香り、豆の形などいろいろなところで違いがあります。
ロブスタ種の方が病気に強く、アラビカ種よりも低高度<300から800m>で育成することができ、育成が容易です。豆の形は、アラビカ種よりも丸みを帯びています。
決定的に違うのがその風味で、ロブスタ種は苦味が強く渋みがあり、香りは麦茶に似たこうばしい香りがあります。