最高のコンディションを獲得する食事術

炭水化物中毒を治すには、どうしたらいいか?

炭水化物とは、ブドウ糖や果糖などの単糖に分類される糖から構成されているもの
の総称です。つまり、分かりやすく言えば糖分のことで、糖分が集まったものが炭水
化物です。糖分を含んだものは全て炭水化物と考えても良いでしょう。

この炭水化物を摂ると人間の身体はどう反応するのでしょうか。簡単に言うと、気
分が良くなります。気分の良い状態のときは脳内で、ドーパミンなどのホルモンが出
ています。
私の教材の中では、このドーパミンをやる気のホルモンとして紹介していますが、
やる気が出るだけでなく、気分も良くなるのです。つまり、炭水化物を摂れば気分が
良くなるので、どんどん摂ってしまうのです。

それ以外にも、炭水化物を摂り過ぎてしまう理由があります。
炭水化物は糖分なので、食べると血糖値が急上昇します。血糖値が急上昇すると、
膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンが分泌されると血糖
値は下がります。
血糖値が急上昇したときは、インスリンも大量に分泌されるので、今度は血糖値が
急降下します。つまり、血糖値の乱高下が起きるのです。

(図3) 食後の血糖値上昇と急降下について

血糖値が急降下すると、人間は強い空腹を感じます。何か食べなきゃいけないと、
とっさに本能で感じてしまうのです。
このときは、血糖値が下がっているので糖分を摂っても良いと考えがちですが、糖
分を摂ればまた、血糖値の乱高下を繰り返すことになってしまいます。血糖値が下が
るということは血液中の糖分が減ることを意味します。
しかし、糖分はなくなるわけではなく、脂肪に変換されて体内に蓄えられるのです。
本来、糖分はエネルギー源として活用しなくてはならないのに、脂肪になってしまう
のです。
これを繰り返すと肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症 (高脂血症) などのいわゆる生
活習慣病
になってしまいます。
この2つの観点から、炭水化物を摂りすぎるのは好ましくないといえます。

それでは、どうすれば炭水化物中毒を治せるのでしょうか。

炭水化物中毒のままでは、脂肪蓄積体質であるため、改善するには体質を変えてい
必要があります。体質を改善するためには、糖分を本来の役割であるエネルギーと
して使われるようにしなくてはなりません。その上でさらに、糖分だけでなく脂肪も
エネルギーとして活用していきます。

では、糖分をエネルギーとして活用するためにはどうすればよいでしょうか。それ
には、ジョギングやエアロバイクを漕ぐなどの有酸素運動が適しています。
有酸素運動をすると、最初のうちは主に糖分がエネルギー源として使われます。し
かし、有酸素運動を開始してから20分ほど経過すると、糖分だけではエネルギーが足
りなくなってくるので、脂肪もエネルギー源として使われ始めます。

(図4) 運動と燃料供給率について

そして時間が経つにつれ、糖分がエネルギーとして使われる割合が減り、脂肪が使
われる割合が増えていきます。したがって有酸素運動を続ければ、脂肪を燃焼しやす
い体質に変わっていくといえます。

もちろん、体質改善は一朝一夕にできるものではないので、定期的に有酸素運動を
継続する必要がありますが、体質を改善するための第一段階です。
有酸素運動を継続すること、また血糖値の乱高下しない食事の摂り方を組み合わせ
ることで、脂肪燃焼体質を確立することができます。

血糖値を安定させる食事術

血糖値を適正レベルに保つことは、集中力やパフォーマンスを維持することにつな
がるので、とても重要です。
血糖値が乱高下してしまうと、集中力も急速に低下してしまいます。では、どうす
れば血糖値を安定させられるかというと、GI値がポイントになります。

GI値のGIはGlycemic Indexの略で、簡単にいえば、食後の血糖値の上がりやすさの
目安のことです。
つまり、GI値が高い食品ほど食後の血糖値が上がりやすいということです。血糖値
が急上昇すると、それを下げようとして、血糖値を下げるホルモンであるインスリン
も大量に分泌されるので、結果的に血糖値が乱高下してしまいます。逆に、GI値の低
い食品を摂れば、血糖値は乱高下せず安定させることができます。

(図5) 低GI値食品摂取後と高GI値食品摂取後の血糖値の比較

インターネットでGI値と調べると、食品のGI値一覧表が出てくるので、参考にする
と良いでしょう。食品の種類はたくさんあるので、はじめから全てを理解するのは難
しいかもしれませんが、徐々にGI値が高い食品、低い食品が分かるようになります。
大まかに分類すると、炭水化物はGI値が高く、逆に、野菜やタンパク質を多く含む
ものはGI値が低い
です。

ただし、野菜でもホウレンソウや小松菜などの葉物野菜はGI値が低いのですが、イ
モやカボチャなどの根菜類はそれほど低くありません。キャベツやトマトなど、一般
的なサラダに入っているような食材は、GI値の低いものが多いです。

また、食品を摂る順番もポイントです。
血糖値を急上昇しないようにするには、GI値の低い食品を先に食べることが好まし
いです。サラダなどのGI値の低いものを最初に食べておくと糖の吸収が穏やかにな
り、血糖値の乱高下を防ぐことができます。
フレンチ料理などにあるコースメニューの順番は前菜から始まるスタイルが一般的で
す。これは、血糖値を急上昇させないような理にかなった順番なのです。食べる順番
が分からなくなったときは、コース料理を思い浮かべると良いでしょう。

 日常生活に有酸素運動を取り入れることと低GI食品を摂り血糖値を安定させること
ができれば、誰でも脂肪燃焼体質を手に入れる事が可能になります。

あなたは水と空気を食べている!

食事をするときは、低GI値のものを先に食べると、糖の吸収がゆるやかになりま
す。順番としてはコース料理のように、先にサラダを食べて、その後に他の食品を摂
る流れです。
サラダに入っている全ての野菜が、低GI食品ではありませんが、レタスやキャベツと
いった葉物野菜は比較的GI値が低いので、これらの野菜を中心に摂ると良いです。し
かし、そうは言っても、野菜の摂取量が不足している人が多いのです。

【図】

上記の野菜の成分表から分かるように、生のキャベツは100g中、92.7gが水分です。
実に90%以上が水分ということになります。レタスも同様で、100gのうち95.9gが水
分なので、ほぼ水でできているといえます。

 さらに、サラダは見た目としてはボリュームがあるように感じても、野菜の形状が
曲がっているので、隙間がたくさんあります。つまり、私たちはサラダでたくさん野
菜を摂っているつもりでも、実はそのほとんどが水と空気なのです。

最近は、ビジネスホテルなどでも食べ放題の朝食 (ビュッフェ形式) が主流になって
います。こういった施設では、経費節減のためにお客さんがあまり食べ過ぎないよう
に工夫をしています。
たとえば、サラダのところに置かれている取り皿は小さめなことが多いです。さら
には、ご飯茶碗も小さめにしている施設がほとんどです。心理学の実験でも、人間は
小さい器を使った方が食事の量が減ることが実証されています。

ビュッフェ形式は、このような人間の心理を利用しているのです。ですから、サラ
ダを摂るときは、大盛りにするか、あるいは2皿分食べてもいいのです。 サラダを多
めに摂ることを意識すると糖の吸収もゆるやかになり、血糖値が安定します。
特に、朝はサラダをしっかり摂ると、日中の血糖値が安定していくのでぜひ試して
みてください。

空腹を感じたときの対処法

 食材の選び方や食品を摂る順番を気にすることで血糖値の乱高下を防いだり、安定
させたりできることについて解説しました。しかし、人間は食事と食事の間が空けば、
空腹を感じることもあります。それは、GI値に関係なく食事を摂れば血糖値が上が
り、いずれは血糖値が下がっていくからです。
 血糖値が下がれば集中力も下がってしまうので、集中力を維持するためには、血糖
値を適正レベルに保つ必要があります。どのように保てば良いかというと、捕食 (おや
つ) を摂ること
が効果的です。

 どのようなものを捕食として食べれば良いかというと、低GI値の食品を摂れば良い
のです。低GI値の食品を摂れば血糖値は回復し、その後も低GI値の食品を適宜摂るよ
うにすると血糖値を安定させることができます。
 低GI食品はコンビニやスーパーマーケットで手軽に買えるものもあり、パッケージ
に低GI食品と謳っているものもありますのでさがしやすいです。

 じつは、空腹時に捕食を摂る以外にもう1つ方法があります。
 それは、空腹時に、何も食べずにしばらく我慢するのです。空腹を感じても10分、
20分ほど我慢すると空腹感はやわらいでいきます。
これはなぜかというと、脂肪がエネルギー源として使われ始めるからです。つまり、
有酸素運動をしたときと同じような反応が体内で起こるのです。

血糖値が低くなって、エネルギー源の糖分が不足してくると、脂肪がエネルギー源
として使われ、脂肪が燃焼され始めるのです。これも小さなテクニックですが、うま
く活用すれば脂肪燃焼体質に近づくことができます。

空腹を感じたときには補食を摂る方がいいか、あえて我慢する方がいいのかは、そ
の日の体調や運動量などいろいろな条件によって変わってきます。
例えば、激しい運動をした後は、栄養を補う方がいいので補食を摂ることをおすす
めします。また、前日食べ過ぎたときなどは、脂肪燃焼のために少し我慢するといっ
た具合にケースバイケースで判断していくのがおすすめです。

「体温を上げろ」は間違い?

巷ではよく、体温を上げると免疫力が上がるといった話を耳にしますが、本当に体
温を上げると免疫力が上がるのでしょうか。無理にでも体温を上げた方がいいのでしょ
うか。
実は体温を上げるというよりも、体温が下がりすぎないようにすることの方が重要な
のです。

体温は夜間、特に、睡眠中は体温が低下します。冬の寒いときに、寝相が悪いと身
体は一層冷えてしまいます。なぜなら、人間の体温よりも室温の方がはるかに低いか
らです。
冬場は室内で暖房を入れてもせいぜい25度前後です。暖房を入れなければ、室温は
さらに低くなりますし、冷たい空気に肌が直接さらされていれば当然、体温は下がっ
てしまいます。

このような状態では、免疫力も低下して風邪などにかかりやすくなるのも無理はあ
りません。ですから、この対策として、室温を適度に保つこと、眠っているときは無
意識のうちに布団を剥いでしまうことがあるので、そうなっても身体が冷えないよう
な寝間着を着用すること
が挙げられます。
この2点に気を付ければ、体温が下がりすぎるのを防ぐことができます。そして、
これを継続すれば、風邪やインフルエンザにかかる確率も下げられるので、体温を下
げないことを意識してみてください。

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